武士道の英語は格調が高く難しい。
しかし、その日本語訳も負けず劣らず、格調が高く難しい、と言うことだ。
特に櫻井訳は、新戸部先生もご覧になり、訳はこれで良いとのお墨付きを与えたるもの。
矢内原訳は、今、広く読まれていて、現代も色々な人が武士道の訳を試みているが、小生のみたところ、この矢内原訳が大元になっている様である。
小生は武士道を読み進むにあたり、日本語訳を重視した。
日本語訳に出てくる難しい漢字、単語、読み方をきちんと調べ尽くした。
これが大変勉強になった。
一通り英語を訳したのちに、この日本語の読解を行った。
また、日本語を朗読してみた。
朗読できるくらい何度も練習した。
これがかなりの手間であったが、その分、力はついたと思う。
英語の力である。
日本語をこのように読み込んで理解した後、また、英語を見るとずいぶん簡単に見えるのである。
それは素朴に嬉しいことではないだろうか
The conditions of society which brought it forth and nourished it have long disappeared; but as those far-off stars which once were and are not, still continue to shed their rays upon us, so the light of chivalry, which was a child of feudalism, still illuminates our moral path, surviving its mother institution.
それを生み 且つ 育てた社会状態は消え失せて既に久しい。しかし昔あって今は在らざる遠き星が尚 我々の上にその光を投げているように、封建制度の子たる武士道の光はその母たる制度の死にし後にも生き残って、今 尚 我々の道徳の道を照らして居る。
葢し斯道を產み、斯道を 育ひたる社會の狀態は、杳として跡を斂めたりと雖、維れ昔、霄漢萬里に麗りし星辰の、其 本體は旣に消燼せるも、而も殘光尙ほ頭上に熒々たるが如く、封建の寵兒たりし武士道は、此れが生みの母たる舊制度の滅後に存し、光輝遂に蔽ふべからず、吾人の道を明かにす。
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