2022年1月3日月曜日

80章突破記念投稿・・・新々英文解釈研究と言葉狩り



 
いきなりではあるが、これは有名な日露戦争の時に、日本攻め寄せるロシアのバルチック艦隊を対馬沖に発見したいう報告を受けて、連合艦隊の出撃を大本営に伝えた電文である。(新々英文解釈研究 79章 分詞構文)

 誠に勇壮で李、しかも、歴史が大きく動いた瞬間であった。

 このような文章も今の時代なら英語の参考書の例文として出版が許されるだろうか、と思う。

 新々英文解釈研究を読んでいると「おお? これは・・」と思う表現が時々ある。
 いくつか挙げてみよう。
 
 「支那人」という言葉も良く使われている。
 「支那」とはけしからんという向きがいらっしゃるが、漢字の意味を取り違えているのではないだろうか。
 「支」の訓読みは「ささーえる」である。
 「支店」とか、あるいは同音の「枝」と混同してご立腹の様であるが、ちょっと待てくだされ。
 「那」とは、はっきり意味の分からない感じではあるが、「神」とかそれに近いニュアンスのある感じである。
 つまり「支那」とは読んで字をみると「神を支える」となり非常に良い意味ではと思うし、かつては中国人がそのように外国に紹介していたのである。実際に「China チャイナ」と発音するではないか。これをそのままローマ字で読めば「シナ」である。
 
第7章の解説に出てくる。
これは戦後の我々が教わった第9訂版でも同じ様に出ていた。
第7章では、再帰代名詞の表現法 by oneself という表現法について勉強する
 



(新々英文解釈研究 45章 He had the kindness to show me the way. 不定詞の解析) 
 
あと、「土人」という言葉も出てくる。
 「土人」よりも、今日なら原住民だろう、とも思うが、本にそう書いてあるのだから致し方がない。
  当方としても正直に申し上げると、このようなことばをそのまま使うことに抵抗はある。また、小生は石原慎太郎氏のように強くもない。
 しかし、この本の記述を小生が変えてしまうわけにはいかない。それは「不敬」であり「冒瀆」と思っている。
 故に解答にはそのまま載せてある。しかし、現代英文訓読法や「直訳」の中では、言い換えたり、そのままにしてあることもある。


 
 
 
 (新々英文解釈研究 46章 such ~ as, such ~ that の表現)
 
 
 軍記物もよく出てくる。これも現代の英語の参考書の例文としてはいかがなものか、ということで、今はほとんど出てこない。
 しかし、「兵は国の大事」(孫子)である。
 普段からこのような感性を磨くことは重要と思う。

 汝平和を欲さば、戦への備えをせよ、 
 If you want peace, prepare for war.
という金言もある。
 今の日本。戦争がないから平和であるとも言えるが、常に最悪の事態を考える思考回路を持つ必要はあるだろう。そのようなこともこの新々英文解釈は私に教えてくれる。
 


 

(新々英文解釈研究 16章 The sooner the better 比較級の表現)

軍記物をもうひとつ挙げよう

 (新々英文解釈研究 96章 仮定法)

 このようなものを読むと、日露戦争の大陸での戦いを例にとって、なるほど、きちんとした指揮官がいないと軍としては弱くなるものであるな、ということが少し理解できるのである。
 これは軍隊だけではない。社会における様々な集団でも言えることである。
 このような文章が出てくると「右翼だ」「軍国主義者だ」というレッテルが貼られそうである。
 しかし、この様な文章をきちんと読むことは、人生に資するところが大きいと思うのである。


 最後の指摘。
 今の日本、困ったことに、日本国を盛大にしよう、という論調は嫌われているようだ。
 盛大にする、とは、経済は元より、軍事も含まれている。
 この新々英文解釈が書かれたのは、大正時代初期。
 思えば、日露戦争に勝利して、満州事変を成功させ、第一次世界大戦がこれから起こるころに書かれた。戦前の日本の最高の繁栄期であった。
 江戸時代の末期から明治。押し寄せる欧米列強から日本を守ることこそが国是であった。そのためには、重工業を起こし、近代的な軍隊の建設こそ急務。それを果たし、日露戦争の勝利で一応欧米列強の植民地から免れた時代。
 しかし、国家を経済的にも軍事的にも壮大にして、それにより自分らも豊かになろうと国民一人一人当たり前の様に考えていた時代であったようだ。

 今はどうであろうか。
 日本だけが富み栄えてはいけない。世界全体が富まなければならない、と考えたまでは良かったが、日本人の平均賃金は落ち続け、今や世界平均に近づきつつある。
 気がつくと我々には、だれかの言うがママに何人かに搾取されながら派遣される様な仕事とか、インターネットで指示されて、品物や料理を配達する仕事しか残ってはいないのか。
 やはり国民全体の集団意識というものは大変大事であると思う。
 もはや、「日本を盛大にして・・・」というフレーズを忌み嫌っている場合でもないし、我が国にはそのような余裕もないはずであろう。
 

 
 
このようなことを、今の日本ですんなりと言えるのだろうか。
それが今の日本の病根 日本の貧困化の原因の一つであろう。
豊かになろう、成長しよう、と思わなければ、豊かにもなれないし、成長もできないだろうさ。 

 最後に、大正元年から2000年まで英文解釈の参考書のベストセラーとして100年の間君臨してきたこの「新々英文解釈研究」に現代のニーズに応えるべく、3つの工夫を凝らして復刻を図っている。
 3つの工夫とは
 ⭕️現代英文訓読法
 ●柔らかな暗記
 ○ヒアリング
 
 この 際に、いちいち上記のことを気にして、その都度、削除したり、新々英文解釈研究の記述を変えたり、例文を外したりしていたらどうなる。
 そのようなことをしたら、この 「新々英文解釈研究」が台無しになる。
 それはちょうど、例えば、論語の中にも、現代ではおよそ通用しない様なことがある。
 例えば「女子と小人は養い難し」(陽貨)という文がある。
 女性と徳のない人間とは、近づけると図に乗るし、遠ざければ怨むので、扱いにくいものである、という意味である。
 これを以って現代にそぐわないからと言って、書き換えたり、削除したら、論語はどうなる? 
 もちろんそのようなことはしない。それと同じ考え方である。

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 小生自身は紙カルテを使用しております。
 高校時代に勉強した「新々英文解釈研究」を研究しています。
 現代英文訓読法と「やわらかな暗記」で 「新々英文解釈研究」をしっかり素早くマスターできるようなものを作りたいと思っています。
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