2021年4月19日月曜日

日本の英文解釈法の系譜(外山滋比古 氏の著作 より)

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面白い本を見つけたので紹介する。

外山滋比古著 日本の英語、英文学 研究社 である。 

日本の英文解釈法の系譜が述べられている。

明治時代、開国間近の日本は西洋に追いつくために、西洋の文物を取り入れることに躍起になっていた。

そのためには、欧米の文物、特に、英語の文物を取り入れなくてはいけない。

英語を読める人材を育成しなければいけない。

全国に高等教育機関である高校、大学をたくさん作ったが、そこの入学試験で英語は最重要科目であった。

 当時の入試問題は「英文を日本語に和訳せよ」が中心。

 勢い受験生は、それに適した参考書を求めたが、なかなか良いものが出版されなかった。

 明治30年に注目すべき参考書が現れた。

 学習院教授の南日恒太郎(なんにち つねたろう)氏が日本語に直すのに難しい英語の文や句を集めて日本語に訳する方法を組織的に生み出した。題して「英文解釈法」。

 これに相次ぐ本が現れた。

 一つは小野圭次郎(小野圭 という略称で親しまれていた)。

 一つは、山崎貞(山貞、という名で親しまれている)の「英文解釈研究」 のちの「新々英文解釈研究」

 外山滋比古先生によると、山貞のほうが、南日の流れを組んで難解だったという。

 故に出来る難解大学を狙う生徒は山貞を用いていたという。

 外山滋比古先生は学生時代にこの山貞を半年で2回読んで英語が分かる様になったという。

 及ばずながらこの橋本も中学高校時代に塾で山貞を扱っていたのでこれで学んだ。

 中学3年のころよりこれをやっていた。

 部活やらなんやらで、塾に行けるのも半分に満たず、また、あまり予習も復習もやらなかったので、マスターするには程遠かった。

 私の肌感覚として、この本を半年で2回も読めたというのはすごい能力である。


 小野圭 も爆発的人気を誇ったそうであるが、私が受験期を過ごした昭和50年代前半には見ることがほとんどなかった。

 山貞は長らくベストセラーにあった。しかし、受験の出題傾向が変わったせいもあり、2004年に廃版となった。

 出題傾向が変わった? 今思うに、エポックメイキングは共通一次試験である。

 ちなみに私は奇しくも共通一次の第1期生。

 当時の印象としてはどうにもこうにも珍妙な試験。全て選択式。

 マークシートも真新しかった。

 それまで試験は記述式こそが配点も高く重要で、選択式などは付け足しのおまけのほどの価値しかなかった。配点ももちろん低かった。記述式で勝たなくては、試験での勝利などはあり得なかった。

 しかし、それでも各大学で行う試験は記述式が主流であったので、「記述式こそが主流」という考えが支配的であった。

 そして共通一次、ならびに受験の結果。

 試験が変わろうが出来る人は出来るのだな、という印象。

 しかし、共通一次のような「変わった」試験で意外と点を取る人がいたのには驚かされた。才能みたいなものがあると思う。

 さて、英語の試験の話に戻る。

 英語に関しても総じて同じような傾向であった。

 それまでの記述式試験。

 いろいろな問題が出た。英文解釈、英作文、穴埋め問題、等々。

 しかし、英文解釈で勝たないと英語の試験での勝利はなかった。

 故に山貞はベストセラーが続いていた。

 私のころは、山貞と並び、原仙作著「英文標準問題精講」(旺文社)が2大巨頭。

 出来る人は山貞、という構図はなく、この両者は拮抗していた。

 山貞は、伝統と格式を感じたが、明治、大正時代の入試問題から例文を取っていたので古い感じはした。

 一方の「英文標準問題精講」は、新しい今風の感じがしたものである。しかし、この本も難しい本であることには変わりがなかった。


 自分は再受験をしたので、その都合、第一回と第三回の共通一次を受けた。

 いろいろ苦労もしたが、終わってしまえば過去の話。

 気にかけることもない。

 しかし、このあと、英語の試験は大きく変わっていったのだな、と思う。

 マークシートが主流となり、その結果、読解問題が長くなった。

 長いが比較的簡単な英文を読ませ、選択式で内容を問う問題が主流となり、かつての英文解釈で重視された「精訳」 はマイナーとなっていた。

 今の入試問題を見ると「英文解釈」や「英作文」の問題はあまりない。

 東大でさえ、あまり見かけない。

 本試験の英語も「和訳」を問う、なぞ古臭いもの。

 問題文がすべて英語で書かれているのがトレンドで格好が良い、とのことである。

 今の、センター試験に変わる共通テストの英語も、ヒアリングが5割。

 そして、問題文はすべて英語である。

 北大の英語の問題も問題文がすべて英語である。

 これをどう見るか、トレンドと見るか、格好が良いと見るか、アホだと見るか。

 どう見ようが、受験生にとっては受かることが至上命令だからそのようなことは言っていられない。

 知り合いの塾の先生の話によると、けっこう有名な私立大学でさえ、

「英検2級」「BTO 〇〇点以上」「TOEIC 〇〇点以上」があれば、英語の本試験で9割保証する、とかいうのが多いみたいである。

 今の「英検2級」。こう言っては悪いがレベルは相当低い。 

 高校卒業レベルと謳っているが、私から見ると「こんなもんで・・・ 何が?」という感じである。

 こんなもの、チョロっと勉強してコツを捕まえるとすれば、すぐ取れるのである。

 それで志望校の本試験 9割くれる、というのであれば、高校時代にチョロッと英語を勉強して2級を取り、あとは、他の教科の勉強に集中する・・・当然じゃないか。

 今の問題はそのあとどうなっているのか、である。

 このような学力で大学教育に耐えうるのか、ということ。

 もっと具体的にいうと、英語の論文を読むことが出来るのか、ということ。

 どうも自分が、教官や実際の学生から見聞きしたところによると・・・

 北大のような立派な大学の学生でさえ、上位半分の学生はさすがに英語論文を読むことが出来ると思われるが、下位半分は殆(あや)ういような感じに見える。Google翻訳などを使っても難しものは難しいのである。理解できないものはどんな機械を使おうが理解できるものではない。

 私が学生のころ先輩に「英語の論文は難しいのか」とお尋ねしたことが何度もある。

 答えは一律。

「決して簡単ではない。しかし文体自体は受験英語の方がずっと難しい。テクニカル・ターム(専門用語)に慣れれば、読めるものだぞ。受験英語の方がずっと難しいのだ」というもの。

確かにそうであったが、今の学生にとってはだいぶ違うようである。

 何事も努力しないと、苦労しないと身につかないからね。

 対策としてはいろいろあるが、とにかく英文解釈力を身につけることではないかな。

 新々英文解釈研究や原仙作の「英文標準問題精講」を改めて読んでみるのも良い。

 必要なら当方のこのホームページで新々英文解釈研究を読んでみるのも効率的な良い方法であると思うがいかがであろうか。

 
















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